2012年 04月 20日
「ハナ」 5

私が子供の頃は ライラックが 咲き乱れるような 庭だったけれど
木が 高くなり 日陰が 増えて
いつのまにか 植物も かわっている
この植物は だあれ?
***
猫のハナちゃんの 話 続きです。
「ハナ」 1 から 読んでいただけたら、とても うれしいです。
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結局 父はその日
あまりにも帰りが遅かったので、
妹たちと、学校が終わってから
電車でかけつけた娘たちには
帰ってもらって 私だけ
実家に泊まることにした。
ハナは どうやら 楽な姿勢をみつけたらしく
その体勢を作ってじっとして
ハッハッハッハッと
短く 息をして
力をつかわないように していた。
私が 話かけると
耳をピッと 動かす。
そして、しっぽを 横に動かして
相槌をうつ。
「いいえ」は 動かず
「うん」は、横に 振る。
都合のよい 解釈かもしれないけれど
そんなように 感じて、
ときどき、ううん ほとんどずっと。
涙を 止めることが できずに
話つづけた。
思えば ハナと こんなに 長く本気で
話しをするのは
初めてかも しれないなと 思った。
***
前にも書いたけど
私が随分、大人になって
そんなに 家によりつかなくなってから
ハナは うちに やってきた。
だから 正直
子猫の かわいい頃の ハナのこと
そんなに 私は わからない
それなのに、
ハナは 賢い子で
そんな私を ちゃーんと
おねえちゃんと 思ってくれていて
実家にくると
玄関まででて にゃーんと 鳴いてくれて
かえるときに 挨拶すれば
しっぽを ふってくれていた。
そして
もっともっと ハナも私も大きくなって、
長い年月が 流れて
私は 結婚して 子供もできた
子供をつれて、実家に帰るようになっても
ハナは かわらず
にゃーんと むかえてくれて、
かえるときには しっぽを ふってくれた
一緒に いっぱい 遊んでわけではないけど
私が泊まって 家にいれば
近くで 話を聞いていて
寝てれば
近くにやってきて 知らないうちに
同じ布団に いたり
そんな 風だった
長く一緒に暮らしていた妹たちとは
違う距離で いたように
思ったけど
ハナと 本気で 話していて、
ハナは ちゃんと 私のことをわかっていて
私の言葉を ちゃんと 聴いてくれて
ちゃんと ひとつひとつ
返事を してくれているように 感じた
***
父が帰宅したので、
ハナは 父と いつものように寝ていた
いつものように
くっついて なにかを 話していたようだけど
ちょっと わからない




