2012年 04月 21日
「ハナ」 8

大きな木の下の シダの葉。
***
猫の「ハナ」の話。
↓
せいいっぱい 生き抜いた 「ハナ」の 話。
「ハナ」 1から 読んでいただけたら、 うれしいです。
***
ハナは 夕方から 様子が 少し
かわっていた。
妹が 帰ろうとすると
それまで のばさなかった手を のばしてきたそうだ。
「いかないで」
そんな顔に 見えたみたい。
妹の子は 小さくて、猫さんの近くにいると
ぶつぶつが でてしまう。
妹は、バスと電車をのりついで、
病院や園のかえりにやってきて。
娘のブツブツ具合をみつつ、家に入ったり
外に出たりしながら、
ハナのそばに いたのだった。
ごめんね。
お父さんが もう帰ってくるからね。
そして。
父が帰ってくると
ハナは 玄関に座っていたらしい。
きっと
何度も立ち上がって
何度も 倒れながら
必死になって
玄関の ドアまで 辿り着いたのだと 思う。
その姿を 想像して。
また 涙が でた。
***
夜中のメールでは
オシッコは しにいこうとするけれど
ごはんもお水も 飲まないと いう。
なんで
父だと そうなの?
父に対して、 怒りが 起こる。
***
朝、父からメールがくる。
オハヨウ。
眠れないよ。ハナはベッドの下横で一緒に寝ました。
多分眠ってないよ。眠ったらこのまま起きられないと
思っているのかも。
ご飯あげるんだけど、食べてくれないよ、イヤイヤする。
抱っこするとゴロゴロとかすかにニャンと必死に
応えてくれる。
もう無理かも・・
無理なお願いだけど少しでも早く来てあげてください。
ハナはあいたがっている。
待っているようです。
(原文)
そして 妹からのメール
(略)
ごはん食べるのも、トイレもかなり体力消耗するのだから
みんなで 何度もさせるのは 辛いんじゃない?
お父さんといるときは体力消耗したくないから
食べずに ただ 一緒にいたいと 思っているんじゃない?
それとも量食べれないから少しずつでも何度もあげた方が
いいのかな。
とにかく・・
ハナのスキなようにさせてあげようね。
お父さんも少しでも 早く帰ってきてあげてくださいね。
(原文)
***
一度に いろんな ナゾが とけてくる。
ハナの行動。 ハナの気持ち。
・・・ イヤな予感がする。
この日は、朝から用があって
私はハナのところには、後から いくつもりでいた。
でも、これは やばい。
今いかないと!
娘をおくりだし、化粧もせず、そこらにある服をきて
旦那さんに 実家に送ってもらう。
「ハナァ。はなぁー」
がちゃがちゃ 鍵をあけて かけこむと
そこには 息の 絶えそうになった
ハナの姿があった
父が出るときは 多分また
平気なフリを したのだろう
心配かけたく なかったんだよね
「はなぁ。だめだよ。いかないでよ。」
「もうちょっと もうちょっと したら みんなくるから」
「やくそくしたじゃん! もうちょっと そばにいさせてよぉ」
近くにあった お水を 口に 数滴。
でも 舌を出すことも できない。
はなー はなーぁ
指で 口を ぬらすように また 水をあげる
少しずつ
少しずつ くりかえすと
ちょっと して
やめて と ばかりに ハナが爪をだした。
また ちょっと もちなおしたような 気がした。
早くきて!
妹たちに連絡して、
あ、そうだと 思い直して、旦那さんに 妹を迎えに
いってもらうと
もうすでに 顔面ぐちゃぐちゃな 妹が やってきた
よかった、ハナきたよ!
ハナは 今までになく 苦しい様子だったけど、
話かけると しっぽを かすかに ふってくれた
どうしても 大事な約束があって、
いかなくては いけなくて
「ちょっと いってくるから 待っててね」
ハナにいうと しっぽが また 動いた
もうひとりの 妹が 近くまで きたと知って
泣きながら 家をでた。
そして、それが ハナとの 私の お別れだった。




